平成21年度東京同窓会連携企画のご報告
東京同窓会との連携企画:「卒業生から保護者へのメッセージ」議事録
(函館ラ・サール学園東京同窓会との連携企画)


会 場:文京シビックホール 3階会議室A+B
日 時:2009年10月31日(土)  10:00~12:00
出席者:東京同窓会役員  :4名(会長、副会長、副会長兼事務局長、事務局次長)
    パネラー(卒業生) :5名(27期、35期、43期、46期、46期)
    PTA関東支部保護者:84名

■会の目的
親元を離れた息子が、勉強や課外活動、あるいは寮生活などでどのように過ごしているのか、保護者として興味のある点について参考にするべく、函館ラ・サール学園東京同窓会と連携して、幅広い年代の卒業生をお招きし、話しを伺う機会とする。

移動保護者会委員長の司会で会を進行。

■東京同窓会長のご挨拶
本企画は今回で3年目であるが、保護者の方の関心事である、ご子息の卒業後のイメージを持つことができる良い機会である。昨今社会情勢が厳しい中ではあるが、卒業生は年代を越えたつながりを活かして社会で活躍している。
在校生約1000名のうち、関東出身の生徒が約四分の一を占め、PTA支部の中で最も規模が大きい。東京同窓会としてもラ・サール学園が標榜するファミリースピリットの一環としてPTAとの連携を強めてゆきたいと考えている。

■パネラーの自己紹介
●27期 
兵庫県明石市出身、関東の国立大進学、IT系商社に就職。在学時は陸上部に所属し、部活に力点を置いていた。今でも頻繁に同級生と集まる機会がある。中学までは地元の国立大学付属に通い狭い範囲の交流関係であった。自身はもともと人見知りと思っていたが、学校、部活、寮生活を通して上辺に留まらない交友が得られた。今の営業の仕事にもどこかで役立っていると感じる。

●35期
都内私立大学国際政治学部に進学、転職を経て今はアパレル系の商業施設に携わっている。在学時はグリー部に所属。転勤族の家庭で小中9年間で6校を渡り歩いたので、もともと人見知りなどは無かったが、寮生活で深い付き合いができたことが得がたい経験であった。また寮生活を送ることで、親離れ、子離れができたように感じる。入学時は上位であったのが、勉強のがんばりを欠き、卒業時は低迷した。転職を経験したが、その際もOBの方々に相談に乗っていただいた。

●43期(中学1期) 
神奈川出身。受験は指定校推薦で都内私大に入学した。現在は航空会社に入社し、パイロット養成コースに所属している。在学時は水泳、ジャズ研等の部活に専心した。寮生活では、適応能力やコミュニケーション能力を養われたと感じる。大学では部の宿舎、今は社の寮で生活しており、特に問題を感じたことがない。一方、同期入社で寮生活を苦手とする者がおり、彼我の違いを感じる。

●46期(中学4期) 
函館出身。自宅生。指定校推薦で都内私大法学部に入学(在学中)。中学は定員が120名となった年に入学。中高は野球部所属、高校では加えて写真部でも活動した。今は大学寮で生活している。

●46期(高校より) 
盛岡出身。高一までバレー部に所属。入学当初、内進生が勉強に励むよりも伸び伸びと過ごしている様が印象的で、如何に優秀な集団かと身構えていたが、受験を経た自身と変わらないことに比較的早く気づいた。安心感から気の緩みが出て、一旦成績が低迷したが、高三から切り替え、一浪を経て都内私大に入学した(在学中)。


以下、主な発言内容。

【寮生活と勉強】
- 入学時は同期入学の同い年の従兄弟よりも良かったはずの成績が、親の目が届かず、自主性にまかされた生活や部活の疲れで、いつの間にか逆転された。高二から四人部屋になる際、優秀な三人(皆医学部に進学)と同部屋となった。皆優秀なのに23時には就寝しており、集中力の重要さを痛感した。同級生の勉強の仕方に接することができるのは良かった。
- 第二志望で入学したつもりが、少し気を抜くと入学時の貯金はすぐになくなった。
- 四人部屋は成績面ではなく、仲の良さで集まった。高三進級の際にメンバー替えするケースが多い中、自身の部屋は固定メンバーで進むまれなケースだった。何でも話し合える関係であったことが理由と思う。
- 勉強に関しては高一でさぼり高二で持ち直した。四人部屋で共に勉強することは、互いに良い刺激を与える。

【部活と勉強】
- 部活と勉強の両立は、趣味をむやみに広げず、勉強を趣味とすることで乗り切った。予備校には通わず、Z会と参考書による自学を中心とした。
- 自身は高二で部活を辞め、四人部屋の残り3名は部活を最後まで続けており、疲れた状態で義務自習に入るため、余裕のあった自分が率先して勉強の雰囲気作りをした。
- 部活引退後は一ヶ月もすると受験モードに変わる。

【帰省時の勉強】

- 長期休暇の帰省時に勉強に身が入らない理由としては、自宅にはTVやパソコンなど誘惑が多いことが挙げられる。学年が進むにつれ、勉強に対する意識が高まるため、一旦机に向かえば惰性で勉強できたはずと思えるが、結局帰省時は三年間を通してできなかった。予備校や自習室を利用することで克服した。

【親との関わり】
- 外進に比べて内進の生徒は、自身のスタイルを確立していないことが多いように感じた。ひとつには親と過ごした時間の長短が原因と考えられる。
- 反抗期を寮生活で過ごしたため、親に反抗することなく大学生となった。反抗の機会は、ある面で成長に欠かせないものと思われ、自身は大学入学後にいくらかの機会を遅れて得て、成長できたように思う。

【目的意識と勉強】
- 夢/目的意識をもって進めることが重要。無目的だとダラダラすることもあると思われる。また目先の受験のみに焦点を当てると、目標を見失うかもしれず、それよりも先の夢を持つことで今やるべきことを明確化することが大事ではないか。

【寮生活全般】
- 寮生活では人間関係が濃密なだけに、他人の欠点に目が向きがちだが、他人の欠点を眺める自分の視点を変えることで長所にしてみる(神経質⇒細やか)など、生活を円滑に送るための工夫をした。
- 内進生が衣服に無頓着だったり、だらしなかったりするのは、女性の目がないことが原因かもしれない。ジャージでの通学は原則禁止されているはずだが黙認されている。

【指定校推薦について】

- 受験勉強の仕方のイメージがわからず、不安があったことも推薦を選択した理由である。
- 中学から高一くらいまでは進路が見えなかった。推薦を選択したが、早く決まると同級生とぎくしゃくすることがある。大学進学後も推薦組は(出身校を問わず)集まりやすい傾向がある。受験勉強に割く時間を振り分けられたため、多趣味な人が多いよう。
- 時期としては、高三の夏休み~9月頃に決めることになる。
- 推薦枠が限られるため、人気校/学部が円滑に割り振られるかは微妙な問題である。

【英語教育について】
- ラ・サールの英語は、受験英語としても高いレベルにあるが、実用的でコミュニケーション能力に重点がおかれている点で優れている。大学で他の進学校卒業生と比べて、あるいは就職先でも自身の強みを感じる。

【保護者の方へ一言】
- 帰省に関して
- 勉強に向かう姿勢を強く妨げるため、机をなくしたり、物置にしないで欲しい。
- 外食よりも親の料理を食べたい。家庭の味と寮食で出ない生ものなど。
- 帰省直後は特にのんびりしたい、寝て過ごすことがあっても大目に見てほしい。
- 寮では逃げ場がない分実家では羽を伸ばしたい、あまり干渉されたくない。
- 寮では触れられないので、インターネットもやりたい。
- その他
- 特に連絡もなしに荷物が届くと感謝の念が高まる。

【その他こぼれ話し】
- 学園祭や部活動は他校女子生徒と知り合う貴重な機会だった。近年、学園祭の中夜祭に外部者が参加できなくなったのは非常に残念で、再考が必要ではないか。
- 子犬を拾ってきて内緒で寮内で飼育していたところ、ほどなく寮教諭に見つかり取り上げられた。その後その犬は寮教諭宅で飼われ、天寿を全うした。

■最後に、PTA関東支部長から総括および感謝の辞が述べられ、閉会した。

以上

     文責 移動保護者会委員長

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